2009年04月30日
「事故車修理中の代車はロールスロイス!?」
問題:
南島三郎さんは、普段の移動に運転手つきのロールスロイスに乗って
いますが、先日交差点で追突されてしまいました。
加害者加入の任意保険会社に代車を要求したところ、南島さんの
ところに保険会社から「レンタカー会社にトヨタカローラを手配した」
との連絡が入りました。
当然南島さんは「そんな車に乗れるか~!」とかんかんに怒って、
保険会社に高級外車のレンタカーを手配するようにいいましたが、
「当社の規定でそれはできません」といわれてしまいます。
理由を聞くと「代車は車として運搬能力があれば事は足りる。しか
もロールスロイスの修理に2ヶ月以上かかるので、高級外車をレン
タルすると膨大な金額になってしまい、損害補償の範囲を逸脱して
しまうのでそれは不可能。」
このようにいわれてしまいました。
しかし、南島さんには毎日予定が沢山あり、しかもプライドがあり
ますので、すぐに手配できる3000ccのトヨタクラウンを自費で借り
ました。
示談交渉の際に、立て替えておいたクラウンのレンタカー代を保険
会社に請求しましたが、払えないの一点張りのため訴訟になってし
まいます。
果たして南島さんはクラウンのレンタカー代を支払ってもらえるで
しょうか。
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【正 解】
答: 支払ってもらえました
先ほどの問題はある判決を参考に赤鬼が勝手に作った物語ですが、
実際の判例は以下のようになります。
東京地裁 平成8年5月29日 交民29巻3号810項
ロールスロイスの代車費用として、国産高級車の1日2万円のレンタ
ル料を80日間認めています。
きちんとした理由があれば、それなりの請求ができるよい例です。
南島さんは社会的な地位や立場上どうしても高級車に乗らなくては
ならない状況があり、それらに関し社会通念を逸脱するものではな
いのであれば、請求は妥当なものであるとの判断です。
代車以外でも、交通事故受傷で入院する際一般的には保険会社より
支払われない差額ベット代や個室代も、きちんとした理由があれば
損害保険からは支払われます。
今回の高級車のレンタカーに似た例では、大企業の社長や有名芸能人
が事故受傷により入院する場合、複数の患者と同じ部屋に入院するこ
とは社会通念上不自然ですので、例外として個室費用が認められます。
赤鬼は、間違いなく6~8人部屋に入院ですが、怪我の状態により
医師が治療のため個室が必要と判断した場合は、やはり個室代を
保険会社に支払ってもらうことが出来ます。
いずれにしても、庶民には冷たい損保です。
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