2010年05月17日
財)交通事故紛争処理センターその1
当センターは、事故に遭われた当事者の面接相談をとおして、弁護士や法律の
専門家による交通事故の相談・和解のあっ旋、審査を行います。
当事者間において、損害賠償などの問題について解決が図れないときに、
公正・中立の立場で、無償で紛争解決するためのお手伝いをする公益法人です。
紛センのHP冒頭では、このように書かれています。
紛センは全国の以下の場所に、1本部、7支部、2相談室があります。
東京本部 札幌支部 仙台支部 名古屋支部 大阪支部 広島支部
高松支部 福岡支部 埼玉相談室 金沢相談室
紛センを利用すると無料で和解あっ旋をしてくれ、しかも被害者が保険会社に
直接交渉をした場合には絶対に認められることのない裁判と同じ地方裁判所支払
基準での和解を実現できます。
しかし、利用に当たっては細かい制限があり注意が必要ですので、詳しくお話
します。
先ず、ごく一般の交通事故被害者であれば全く問題が無いことですが、
あっ旋手続きが出来ない場合というものがありますので、以下をご覧下さい。
■ 自転車対歩行者・対自転車事故による損害賠償に関する紛争
紛争処理センターはあくまでも自動車事故により損保会社と被害者の間に発生
した紛争を解決するところですので、自転車対歩行者、自転車対自転車のよう
な損害賠償は、自賠責保険や任意保険とは異なる賠償保険でなされる場合、
あっ旋することが出来ません。
■ 搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険など、自分が契約している
保険会社または共済組合との保険金、共済金の支払いに関する紛争
これは、被害者自身が加入している傷害保険であり、加害者加入の保険会社と
の紛争ではありませんので、被害者自身で解決をしなくてはいけません。
■ 自賠責保険後遺障害の等級認定に関する紛争
自賠責調査事務所で決定する後遺障害等級についての争いは、損害の争いでは
ありませんので、紛センでは解決できません。
■ 相手方が自動車保険(共済)契約をしていない場合
損害保険協会に加入の保険会社とJA共済・全労災は、紛センの裁定に従うとし
ていますが、それ以外のところには効力がありません。
自動車保険に加入していないということは、加害者本人に損害を請求すること
になり、紛センの保険会社と被害者間の紛争を解決するという趣旨からは外れ
てしまいます。
■ 相手方が契約している自動車保険(共済)に示談代行サービスがない場合
示談代行サービスがない場合は、保険会社は紛センに来て和解の協議をするこ
とが出来ませんので、実質紛センでは解決できないということになります。
■ 相手方の契約している共済が、JA共済連または全労済以外
JA共済と全労災は紛センの裁定に従うとしていますが、その他の共済は従わな
いという誠に不条理な現実があります。
被害者は、ぶつけられる相手の加入している任意保険を選べませんから、
これは運ということになってしまい、加害者の加入している保険によっては
全く同じ損害状況でも、損害賠償額に大きな差が出てしまうことになります。
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