交通事故被害者が知らないと損する、交通事故損害賠償「裏常識」 物損事故からムチ打ち被害者後遺症まで、知ってて得する知識です。あまり知られてない損害賠償の裏側と損しない損害賠償請求を解説します。

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2009年12月08日

■■ 「交通事故と労災 その1」
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■ 「交通事故と労災 その1」



労災保険の正式名称は、「労働者災害補償保険」で労働者災害補償保険法

が定めら、厚生労働省の職務として責任をもって取り扱われています。



労働者災害補償保険法の目的は、以下の条文に記されています。



第1条 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者

の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、

必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、

又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族

の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の

増進に寄与することを目的とする。




要するに、一般に労働者と呼ばれる人が通勤途中や業務中に怪我したり

死亡した時に支払われる保険です。



保険料は、労働者を使用する事業主の負担となっていますので、

労働者が収める必要はありません。



先ほどの、交通事故受傷と労災保険の関係になりますが、業務中及び

通勤途上が認められれば労災保険扱いになります。



本来は、受傷後直ちに労災保険の申請をしなくてはならないのですが、

通勤途上の事故が労災であることを知らず、日にちが経ってから人から

労災保険が適応されると聞かされ、どうしたらよいのかといった質問を

される方が多いようです。



労災保険申請に関しては期限はありませんが、請求の時効が存在しま

すので、かなりの月日が経過してしまった場合、受取れないものも出て

きます。




労災保険で給付される補償は以下になります。



■ 労災保険の給付について


第7条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。



1.労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」

という。)に関する保険給付



2.労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」

という。)に関する保険給付



3.2次健康診断等給付



■ 労災保険における通勤の定義



第7条

2. 前項第2号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、

合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するもの

を除くものとする。



1.住居と就業の場所との間の往復


2.厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動


3.第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動

  (厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)




★ 通勤途上災害は要注意!



労災の認定は、業務中の交通事故であれば問題ないのですが、通勤途中に

交通事故にあった場合、状況によっては認定されないケースも出てきます。



それは、事故にあった時点が本来の通勤であったかないかを審議される

ことがあるからで、労災保険法条文に明記してあります。



-----------------------------------------------------------------
第7条

3. 労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に

掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその

後の同項各号に掲げる移動は、第1項第2号の通勤としない。



ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働

省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のもの

である場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
-----------------------------------------------------------------



法律は非常に抽象的で分かり難いので、例を挙げてお話します。



先ず、労災保険における通勤の定義で「住居と就業の場所との間の往復」

に関してですが、一般的な通勤災害の場合はこの部分が一番問題になり

ます。



住んでいる場所と会社の往復ですが、毎日バスや電車を利用して決まった

道を通勤している場合や自家用車でいつもの道を走って通勤している場合

は問題になりません。



問題なるのは、いつもと違った行動をして通勤した場合です。



違った行動といっても、普段電車で行くところを止む終えない理由で

車やバイクで通勤するということではなく、いつもの通勤ルートを外れ

て通勤した場合や寄り道をした場合です。



条文ではそれらを「移動の経路の逸脱」し「移動を中断」した場合は

通勤としないとしていますので、回り道や寄り道は通勤としないという

ことになります。



例えば、出勤途中に普段は徒歩で通学している子供が遅刻しそうになった

ため、車で出勤途中に会社と反対方向又は同一方向でも数キロ遠回りをし

て子供を学校に送ってたまたま事故の被害者になってしまった場合、「移動

の経路の逸脱」になり通勤とは認められず労災保険も適用されません。



又、徒歩と電車で通勤している人が、会社の帰りに居酒屋で一杯飲んで

帰る途中車にひかれた場合、「移動を中断」したことになりますので、

やはり通勤途中とは認められず労災の適用もありません。



しかし、何が何でも回り道や寄り道をしたから通勤ではないというわけ

ではなく、先ほどの7条に「ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上

必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により

行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、

この限りでない。」としています。



ここでいう「日常生活上の必要な行為であつて厚生労働省令で定めるもの」

というのがどのような行為かは、「労働者災害補償保険法施行規則」に

より以下のように定められています。




労働者災害補償保険法施行規則


(日常生活上必要な行為)


第8条 労災保険法第7条第3項の厚生労働省令で定める行為は、次の

とおりとする。


1 日用品の購入その他これに準ずる行為


2 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において教育その他
  これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するもの
  を受ける行為


3 選挙権の行使その他これに準ずる行為


4 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他
  これに準ずる行為




「日常生活上必要な行為」とする1~4までの具体例を簡単にお話します。



1.その他これに準ずる行為ですが、朝の通勤ラッシュを避ける為早めに

自宅を出発し、会社の近くのファミリーレストランで朝食をたべる行為

や会社の帰りに床屋さんによってから帰るような行為をいいます。



しかし、先ほどの通勤途中に朝食を食べるような行為は、2つの解釈が

ありますので、注意が必要です。



普段奥さんの作った朝食を自宅で食べていて、事故にあったその日は

たまたま自宅で朝食を食べてこなかった場合は、日常生活にはなりません。



一方、いつも朝食を作ってくれる奥さんが寝坊をしたとか実家に帰って

しまった等の理由であれば日常生活になります。



独身者であれば、いつもは自宅で朝食を食べているなどと余計なことを

言わない限り、何処で朝食を食べても日常生活になります。



2は、昼間仕事をしてから定時制高校や自己啓発のための講座や訓練を

受けてから帰宅するような行為です。



3.4は読んでそのままですが、1~4までで注意が必要なことは「ただし、

当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定め

るものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、

当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。」という条文の中の、

「当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない」という部分です。



例えば、会社の帰りに何らかの自己啓発教室に立ち寄って帰る場合、

教室が普段の通勤ルートから外れる部分に関しては「当該逸脱」に当たり

ますので、通勤ルートから外れた所で事故にあっても労災にはなりません。



又、教室の階段につまずいて怪我をしても「中断の間」になりますので、

やはり労災にはなりません。



一言で労災といっても、認定に関する多くの規定があるのでかなり複雑に

なります。




簡単に交通事故と労災適用のお話をしようと思って書き出したのですが、

労災認定の所でかなりの長さになってしまいました。



交通事故の被害者で労災が認定される場合、「第三者行為災害」という

ものになります。



「第三者行為災害は一般の労災とは異なりますのが、その話を始めると

本日の記事以上に長くなりますので、次回のお話しとさせていただきます。



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