2012年08月
2012年08月16日
事故解決はマニュアル選びが重要!「赤鬼の交通事故マニュアル無料ダウンロード」
【相談】
痛みがあるため、後遺症障害の認定を行ってもらったのですが、
結果は非認定でした。
いろいろと理由が書かれていましたが、痛みがあるにもかかわらず
後遺症として認められないのは非常に悔しいです。
最低でも14級は認めてもらいたいと思っていたのですが、認めて
もらえないとなったとき、この痛みを慰謝料として増額してもらうことは
可能なのでしょうか。
交通事故紛争処理センターに依頼すべきなのでしょうか。
県の無料相談弁護士に聞いても「後遺症は医者がだめといえば駄目
ですから」と言うばかりで、何の役にも立ってくれません。
恐れ入りますがアドバイスをお願いします。
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【赤鬼から】
> いろいろと理由が書かれていましたが、痛みがあるにもかかわらず
> 後遺症として認められないのは非常に悔しいです。
腰椎の症状が非該当との事ですが、おそらく後遺障害診断書の記載内容に
不備があったと思われます。
症状があれば必ず原因が存在しますので、その原因をいかに後遺障害診断書
に記載するかが認定のポイントになります。
単なる自覚症状の羅列で認定される事はありません。
しかし、ほとんどの医師は後遺障害診断書の記載方法を理解していませんので、
後遺障害に該当する症状であっても多くの場合非該当になってしまいます。
> 最低でも14級は認めてもらいたいと思っていたのですが、認めて
> もらえないとなったとき、この痛みを慰謝料として増額してもらうことは
> 可能なのでしょうか。
残念ですが、後遺障害に関しては認定されていない場合、慰謝料増額の理由
になりません。
痛みを慰謝料として請求したいという事ですが、痛みを立証しなければ
請求の根拠を示すことができません。
その請求の根拠、言い換えれば痛みの立証が後遺障害の認定ということです。
> 交通事故紛争処理センターに依頼すべきなのでしょうか。
紛センは損害額が確定した時点での争いになりますが、後遺障害に認定されて
いない痛みに関しての慰謝料増額は難しいと思います。
痛みの慰謝料が確定していませんので、相談するのであれば日弁連交通事故
相談セインターになります。
> 県の無料相談弁護士に聞いても「後遺症は医者がだめといえば駄目
> ですから」と言うばかりで、何の役にも立ってくれません。
後遺障害認定を医師が決定すると言うような弁護士は、交通事故に関する
訴訟や相談の経験がほとんどないと考えられます。
要するに、交通事故損害賠償に関しては素人という事です。
後遺障害の認定は、損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所で審査及び
認定をしています。
医師がいくら後遺障害だといっても等級認定される事はありませんし、
医師の後遺障害診断書の記載が不十分の場合は後遺障害に該当する症状でも
非該当になります。
そのような事例を以下のサイトで紹介しています。
http://www.jiko-zero.info/jiko-zero.html
後遺障害に認定に対して不服であれば異議申立ができますので、
お考えになられてはと思います。
異議申立に期限も回数制限もありませんので、慌てずじっくりご検討
いただければと思います。
ただ、自賠責保険の後遺障害部分の請求に関する時効は、症状固定の次の日
から2年間ですので、何回も異議申申立して2年が経過しそうになったら、
地場移籍保険に時効中断手続きをするようにしてください。
事故解決はマニュアル選びが重要!「赤鬼の交通事故マニュアル無料ダウンロード」
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2012年08月08日
事故解決はマニュアル選びが重要!「赤鬼の交通事故マニュアル無料ダウンロード」
【慰謝料の特殊な増額事由】
頻繁にある事例ではありませんが増額の理由になる事例ですので、
知っておかれればそれなりに使える知識です。
今回は増額の理由となる以下の3つの事例についてお話します。
■ 「被害者が幼児を持つ母親」
■ 傷害の部位・程度に応ずる増額
■ 「生死が危ぶまれる状態、極度の苦痛、手術の繰り返し」
では、順番にお話していきます。
■ 「被害者が幼児を持つ母親」の特例
これは、赤い本における入・通院慰謝料についての算定基準の中に
ある「入院と同様に評価すべき場合」です。
「入院と同様に評価すべき場合」とは「被害者が幼児を持つ母親であったり、
仕事の都合などの被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められ
る場合には、上記金額を増額することがある。なお、入院待機中の期間及び
ギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は、入院期間と見ることがある。」
と赤い本に記載があり、これらの事由により入院慰謝料が増額される例です。
簡単にいってしまうと、被害者が母親で幼児がいる場合は、幼児が他の人に
なつかないことも多く細かい気遣いができないのため、本来入院して治す
べき怪我でも我慢して早期に退院し自宅で療養を続けることです。
又、入院待機期間は病室の空き待ちなどです。
ギプス(対象部位あり)の固定期間は通常実通院日数としてカウントして
通院慰謝料の扱いになりますが、ギプスをして動けずに自宅で安静にして
いた期間は入院期間としてカウントするというものです。
母親の顔を見ないと泣き止まない幼児がいる場合、本来入院すべき怪我でも
入院せずギプスをして自宅で安静にしていれば、子供は母親の顔を見れるだけ
でも安心します。
そのような場合、自宅の療養期間を入院期間とみなし入院慰謝料の対象期間に
するとしています。
■ 傷害の部位・程度に応ずる増額
赤い本では、傷害が複数箇所におよびしかも重症の場合は「2~3割」の
慰謝料増額をするべきと解説しています。
具体的には、青い本の解説に「脳・脊髄の損傷や多数の箇所に渡る骨折、
内臓破裂を伴う傷害の場合は、通常生命の危険があることが多く、
これらの症状の場合で絶対安静を必要とする期間が比較的長く継続したとき、
あるいは症状の回復が思わしくなく重度の後遺障害が残り、あるいは長期に
わたって苦痛の大きい状態が継続したときなどは、特に症状が重いものとして
上限の金額の二割増程度まで基準額を増額しても良いと思われる」とあります
ので、その二割程度の増額を要求する事は可能と考えます。
これは、普通の場合に入・通院慰謝料の算定は入院日数と実通院日数で決め
られてしまいますが、怪我が重傷で苦痛が多く自由を奪われた期間が長い場合、
慰謝料が単に日数だけで計算されたのでは、被害者としては納得がいかない
だろうということから、上記のような場合は慰謝料の増額を主張するべきと
いう考え方です。
※ 赤い本に関しては、ブログ記事「地方裁判所支払基準」を参照して下さい
http://safely.blog115.fc2.com/blog-entry-33.html
■ 「生死が危ぶまれる状態、極度の苦痛、手術の繰り返し」の場合の増額
これについても、先ほどの「傷害の部位・程度に応ずる増額」と同じ考え方
になります。
被害者の身体に、生死が危ぶまれる状態、極度の苦痛、手術の繰り返し等が
加えられた場合、被害者はもちろん家族もかなりの精神的苦痛を受けることに
なるので、慰謝料の増額ができるという考えです。
又、そのような怪我をした場合個人差はありますが、相当の期間後遺障害に
悩まされたり、或いは一生好きなスポーツができなくなってしまったりする
事もあり、快適な生活が送れなくなった事に対する慰謝もすべきとしています。
このような事案の場合、ご自身で保険会社と示談交渉をする事はなく弁護士に
依頼されると思いますので、もし依頼した弁護士が交通事故に不慣れでこの
ような慰謝料増額を見過ごしていたら、キチンと請求をするように言わなくて
はなりません。
被害者も正しい交通事故損害賠償の知識を身に付けることが、最終的に正当で
最大の損害賠償を受取れる事になります。
被害者の最大の武器は知識です。
事故解決はマニュアル選びが重要!「赤鬼の交通事故マニュアル無料ダウンロード」