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交通事故被害者が知らないと損する、交通事故損害賠償「裏常識」 物損事故からムチ打ち被害者後遺症まで、知ってて得する知識です。あまり知られてない損害賠償の裏側と損しない損害賠償請求を解説します。

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2011年08月

2011年08月20日

■「好意同乗」で減額される?!


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前回過失割合に関するお話をしましたら、運転者が過失相殺(減額)される

場合同乗者も過失相殺(減額)されるのかとうご質問をいただきましたので、

そのお話をしようと思います。



「好意同乗」という言葉をご存知でしょうか。



知り合いなどに無料で乗せてもらった車が自損事故をおこしたり事故に遭遇し

たりして怪我をした場合、当然運転者に損害賠償を請求することになります。



その際に問題になってくるのが「好意同乗」になります。



訴訟の現場では無償同乗といわれていますが、要するにただで(好意)便乗

させてもらっているので、事故の責任をある程度は共有すべきとの考え方で、

損害賠償額も減額してよいのではないかとうことです。



加害者が被害者からの損害賠償請求をされ賠償額を減らすために争う事項で

すが、「赤い本」では「無償同乗自体を理由として減額しない。但し、同乗者

に帰責事由がある場合は、減額することがある」としています。



「青い本」では、「好意同乗者からの運転者・保有者に対する損害賠償請求

については、単なる好意同乗(無償同乗)のみを理由としては減額しないの

が原則である。しかし、好意同乗者が運行をある程度支配したり、危険な

運転状態を容認または危険な運転を助長、誘発した等の危険容認型ないし

危険関与型の場合は、信義則、公平の原則又は過失相殺の法理の類推適用等

により減額される場合がある。減額する場合、全損害額について減額するも

のと慰謝料算定にあたり減額ないしは同乗経過を斟酌する裁判例がある。」



※ 「赤い本」「青い本」は ブログ記事「地方裁判所支払い基準」で
   解説しています。

   http://safely.blog115.fc2.com/blog-entry-33.html




要するに、単に好意(無償)で同乗していたことだけでは減額の理由には

ならないとしています。



では、どのような場合に「好意同乗」が争われ減額されるかとうことですが、

おおむね以下のような場合になります。



・ 車に同乗中に過失及び危険の承認が認められる場合

  (例、飲酒運転の車に同乗・運転手に話しかけたり
     運転の邪魔をし運転を誤らせる等)



・ 同乗者に運行目的が求められる場合

  (例、同乗させてもらった人と交代で運転し目的地にいく
     場合、同乗させてもらった人の運転中の事故)




もう少し具体的にご理解いただけるよう、ちょっと面白い判例でご紹介

します。



これは、横浜地裁の平成10年の判決です。



※ 被告=運転者 原告=同乗者



「被告が交際中の原告を加害車の助手席に乗せて午前一時ごろ走行中、

原告と被告が口論をはじめたことから、被告の注意が散漫になり、加害者車

を中央分離帯のキャッツアイ(反射板)に乗り上げた後、左側に走行して

歩道上を走ったうえ妨害物に衝突して、原告が負傷した事故につき、過失相殺

または好意同乗による減額として、原告の損害額から30%を控除した」という

事例。



もう一つ分かりやすい判例をご紹介しておきます。



これは、岡山地裁の判例です。



「原告は、被告が飲酒して踊ったため酔いが回りやすく、速度違反をしたり

運転操作を誤ったりしやすい状況にあることを容易に認識しえたのであるから、

被告に飲酒運転を止めて一緒にタクシーで帰るように注意すべきであったし、

あるいはそうでなくとも、帰途で眠り込む前に、被告が制限速度を大幅に超過

して運転していることを認識していたのであるから、速度違反をしないよう

注意をするなどすべきであったにもかかわらず、原告は、漫然と何ら注意する

ことなく被告運転の自動車に同乗していて、本件事故にあったのであるから、

損害の公平な分担の見地から、いわゆる好意同乗減額として15%減額した」

という事例。



このように、同乗者にも責任が認められる場合は好意同乗の減額をされる

こともあることがお分かりいただけましたでしょうか。



この2つの事故は共に自爆事故でしたが、もしもう一台の車が関係する事故で

双方に過失があった場合の好意同乗による減額はどうなるでしょう。



乗っていた車が60%でもう一台の車が40%だったとしたら、もう一台の車も

好意同乗の減額率を加味した損害賠償の支払いになるのでしょうか。



分かりやすくお話をしますと、衝突した相手の車は過失相殺により総損害額

の40%に対して賠償責任が生じますが、その40%の賠償額にさらに好意同乗の

減額率を掛けて賠償をすればよいのかということです。



この場合、ほとんどの判例では「好意同乗減額は同乗者と同乗させた者との

内部関係に基づくもので、事故の相手方車両との関係で考慮するのは相当で

ない」として否定されています。



ですので、「運転者が過失相殺(減額)される場合同乗者も過失相殺(減額)

されるのか」という疑問の答えは「減額されない」ということで問題ないと

思います。



ただ、一般的に「好意同乗」で減額が問題になる案件は同乗者が重症もしくは

死亡の場合で、損害賠償額もかなり高額になる場合ですので、普通の追突事故

による頚椎捻挫や通院で済んでしまうような衝突事故のような案件では考える

必要はありません。



そうはいっても、保険会社の担当者によっては法律的な知識をひけらかし、

「好意同乗ですので減額されます」などといって同乗者の損害を低く算出して

くることも考えられます。



そのような場合でも、示談の場合は民事上は和解契約ですので、被害者が

納得して免責証書に署名押印してしまうとそれで和解は成立します。



そのような姑息な手段で損をしないよう日頃から学習されることをお勧め

しています。


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はじめまして!

赤川 静雄(赤鬼)

Author:赤川 静雄(赤鬼)
交通事故の損害賠償は、被害者に立証責任があるため、知識がなければ支払われない損害が沢山あります。保険会社の人は決して教えてくれない、知らないと損する損害賠償の知識を公開します。賢い被害者になって、大いに得しましょう!

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