2010年08月
2010年08月27日
事故解決はマニュアル選びが重要!「赤鬼の交通事故マニュアル無料ダウンロード」
★事故で被害者にも過失がある場合、健康保険を使用しないと損をすることが!?
■被害者に過失があり医療費が高額になることが予想される場合、
健康保険を使用することで、受け取る損害賠償額が増えます。
実例を挙げて実際に計算してみましょう。
本来は、自賠責保険での過失相殺は任意保険と異なりますので、それを
考慮に入れなくてはならないのですが、自賠責保険人身傷害限度額の120万円
を超過した場合のほとんどの解決では、総損害額に対して一般的な過失相殺を
していますので、分かりやすいようにお話します。
総治療費・・・・・・・・・・・・・・・100万円
損害額(休業損害・慰謝料等)・・・・・200万円
総損害額・・・・・・・・・・・・・・・300万円
あなたの過失が20%だとして、このような提示が保険会社からあった場合、
あなたが受け取れる金額はいくらになるでしょう。
治療費は保険会社が立て替えて払っているので、受け取る損害額200万円から
あなたの過失20%を差し引いた金額、200-40=160万円でいいですか。
過失分を引かれるのはちょっと悔しいけど「まあいいか」と思ったら、
それは間違えです!
受け取る金額はもっと少なくなります。
え? 何で?
医療費をお忘れになっていませんか?
「でも、医療費は保険会社が支払っているから関係ない」と思ってしまい
がちですが、実際は総損害額に対して過失相殺をされますので、医療費に
関しても過失分の2割を負担しなくてなりません。
あなたにも過失があるので、保険会社は医療費の8割しか負担してくれない
ということです。
ですので、あなたの受け取る金額は次のようになります。
あなたの過失相殺額
治療費100万円の20% 20万円
損 害200万円の20% 40万円
合計60万円
総治療費・・・・・・・・・・・・・・・100万円
損害額(休業損害・慰謝料等)・・・・・200万円
総損害額・・・・・・・・・・・・・・・300万円
すべてを計算してみます。
総損害額-過失相殺額-既払い額(保険会社の立て替え)=
300-60-100=140万円
ということになります。
要するに、治療費100万円の過失分20万円も負担しなくてはならなくなります。
■ 健康保険を使用すると受け取る金額が多くなる
先ほどの事例で健康保険を利用すると、受け取れる金額は140万円より
多くなりますので、注意してこの先をお読みください。
先ず、先ほどの総治療費100万円は自由診療ですので、前回お話をしたように
健康保険診療の場合の2~3倍の金額になっています。
仮に、今回治療した医療機関が良心的に健康保険診療の2倍の金額を自由診療で
請求していたとすると、健康保険を使用していれば100万円の半額50万円の請求
になります。
すると、総損害額は次のようになります。
総治療費・・・・・・・・・・・・・・・50万円(自由診療では100万円)
損害額(休業損害・慰謝料等)・・・・・200万円
総損害額・・・・・・・・・・・・・・・250万円
ここからがちょっと複雑ですので、混乱しないでください。
健康保険を使用して交通事故の治療費を支払う場合も、一般の病気と同じく
健康保険組合が7割で組合員が3割です。
任意保険会社はとりあえず健康保険組合と被害者に立て替えてもらった治療費
を支払います。
その際、過失相殺部分に関してはどうなるかというと、過失の部分も
健康保険組合と組合員が7:3で分割します。
健康保険組合が任意保険会社に治療費を求償すると、任意保険会社からは
請求額から過失割合の部分を差し引いた金額が健康保険組合に支払われますが、
健康保険組合はその差額を組合員に請求することはありません。
すると、本来50万円の過失20%部分をあなたが負担するところを、
治療費50万円の3割負担分に対しての過失20%負担ですんでしまいます。
ちょっとややっこしいのですが、次の説明をご覧ください。
治療費の過失相殺部分のそれぞれの負担額は以下のようになります。
健康保険組合負担額 (50×0.7)×0.2=7万円
あなたの負 担 額 (50×0.3)×0.2=3万円
そうすると受け取れる金額は以下のようになります。
総治療費・・・・・・・・・・・・・・・50万円
損害額(休業損害・慰謝料等)・・・・・200万円
総損害額・・・・・・・・・・・・・・・250万円
過失相殺部分 43万円
治療費 50万円の3割の20% 50×0.3×0.2=3万円
損 害 200万円の20% 40万円
総損害額-過失相殺額-既払い額(保険会社の立て替え)=
250-43-50=157万円
結局、同じ事故同じ怪我で自由診療であなたが受け取る賠償金は140万円で、
健康保険使用では157万円になりました。
17万円の差って大きくありませんか?
被害者に過失がある場合、同じ怪我をしても自由診療と健康保険診療の
違いで受け取る賠償額に差が出てくることがお分かりいただけましたで
しょうか。
今回は治療費や過失割合がそれほど大きくありませんでしたが、過失割合や
治療費が大きくなるともっと差が出ますので、あなたの状況により賢い選択を
してください。
大怪我をしてあなたの過失が大きい場合、もらえるはずの慰謝料が治療費の
過失割合による分担金で無くなってしまったり、最悪慰謝料より治療費の
負担分が多くなってしまった場合は、被害者が逆にお金を払わなければなら
ない事態にもなりますので、十分ご注意下さい。
交通事故損害賠償では、知らないと損することが沢山あります。
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