交通事故被害者が知らないと損する、交通事故損害賠償「裏常識」 物損事故からムチ打ち被害者後遺症まで、知ってて得する知識です。あまり知られてない損害賠償の裏側と損しない損害賠償請求を解説します。

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2009年01月

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2009年01月21日

■「加害者の賠償責任を相続して下さい!?」

事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」



「加害者の賠償責任を相続して下さい!?」


問題:



絢香さんの夫は日曜日に友人とゴルフをするため一人で車を運転し、

待ち合わせているゴルフ場に向かいました。



ところが高速道路で渋滞のため停車していたところ、運悪くノーブ

レーキで追突されてしまいました。



追突された際車は炎上し、乗っていた絢香さんの夫と追突した運転

手2名が死亡するをいう悲しい事故になってしまいました。



さらに悪いことに、加害者は任意保険に加入していませんでした。



そこで綾香さんは、自賠責保険で不足している損害賠償金を加害者

の親族に請求しましたが、親族は相続の放棄をしてしまいました。



この場合、綾香さんは自賠責の不足額を親族に請求するはできなく

なってしまうのでしょうか?



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

答:


残念ながら法律上損害賠償を請求することはできなくなって

しまいます。



加害者の相続人は財産・債務とも相続することも放棄することも

可能です。



この場合、相続を放棄してしまっていますので、ほとんどの場合は

不可能又は困難と考えるべきです。



ただ、加害者に相当の財産がある場合、相続人がむやみに相続を放

棄することはないと思いますので、その際は回収が可能です。



ただ、債務なら放棄し財産なら相続すると言う損得だけで行動する

人間にはなりたくないと赤鬼は考えています。



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2009年01月14日

■専業主婦にも休業損害は認められる!?

事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」




■ 専業主婦に休業損害は認められる!?




専業主婦に休業損害が認められるかという疑問をお持ちの方が大勢

いらっしゃいますが、主婦も家事に従事すると言う立派な職業です

ので当然休業損害は認められます。



昭和50年7月8日最高裁第三小法廷での判例ですが、「妻の家事労働

が財産上の利益を生ずるものであり、これを金銭的に評価すること

は不可能とはいえない」として休業損害を認めています。



損害賠償の世界では家事従事者という言葉を使い、主婦に限定せず

に主として家事労働に従事する人を言います。



休業損害の算定基準は、自賠責支払い基準では1日当り5700円とな

っていますが、地方裁判所支払い基準では賃金センサスの女子平均

賃金を基礎に算出します。



主夫のように男子が家事に従事する場合は男子の賃金センサスを使

用するかと言う問題ですが、家事労働の経済的利益の価値を女子平

均賃金で換算すると言う考え方のため、やはり女子平均賃金で換算

することがスタンダードなっています。



賃金センサスの女子平均賃金額による算定ですが、どの平均額を使

用するかについては次の3通りがあります。




1. 全年齢女子労働者平均賃金によるもの


2. 女子年齢別平均賃金によるもの


3. 女子学歴別平均賃金によるもの



どの基準が認められるかについては、各裁判所の判断基準によって

異なりますが、1.が普通に使われる基準と考えても差し支えないと

思います。



根拠としては、地方裁判所支払い基準の「赤い本」に「賃金センサ

ス第一巻第一表の産業別、企業規模計、学歴計、女子労働者の全年

齢平均の賃金額を基礎とする」としているからです。



※「赤い本」についてはブログ記事「地方裁判所支払い基準」を見
  てください。
  http://safely.blog115.fc2.com/blog-entry-33.html



ご参考までに「青い本」では、1と2の双方の方式について触れてい

ますが、特にどちらをとるべきだという表現をしていない理由は、

判例が分かれているからです。



どの賃金センサスの基準を使用するかについては、休業損害の算定

だけではなく後遺症逸失利益の算定の場合にも問題となるからで、

様々な判例が存在する為一概にどれを使用すべきとは言えないとこ

ろに難しさがあります。



だいたいの傾向としては、後遺症・死亡逸失利益の算定の場合に

ホフマン式を採用する裁判所においては年齢別平均値を、ライプ

ニッツ式を採用する裁判所においては全年齢平均を使っているよ

うです。



※ ホフマン式・ライプニッツ式:これは逸失利益計算の場合に使
  用する係数で、中間利息の控除をする際に単利で計算するか福
  利で計算するか違いです。  

  前者は単利計算後者が複利計算になりますが、最近はライプ
  ニッツ式がスタンダードになりつつあります。




3.の方式については、まったくないわけではないのですが、少ない

 といった方が良い表現かもしれません。



被害者の年齢に応じて家事労働の経済的価値変化と、女子の年齢に

よる賃金水準の変化が等しいと言う根拠があれば「2.女子年齢別

平均賃金によるもの」にも合理性があり、「1.全年齢女子労働者平

均賃金によるもの」が必ずしもスタンダードであると言い切る事も

できないような気がしています。



■ 具体的な計算例


自賠責保険は一律5700円としていますが、地裁基準の計算では次の

ようになります。



先ほどお話したように、賃金センサスにおける女子のどの平均賃金

額を使用するか、平成何年度のセンサスを使用するかで違いが出て

きますが、スタンダードな全年齢女子平均賃金額の平成17年度の

3434400円で計算して見ます。



3434400を12ヶ月で割ると1ヶ月あたり286200円になりますので、

さらに30日で割ると1日あたり9540円になります。



専業主婦の地方裁判所支払い基準では1日当り9540円、自賠責では

5700円ですので、やはり解決の際は地裁基準でとなるのですが、

軽微な事故の場合はなかなかそこまで手間をかける被害者さんは少

ないようです。




■ 収入のある主婦の場合



兼業主婦の場合はどうするかと言うと、実際に働いた収入額による

休業損害額と先ほどの賃金センサスにより算出した休業損害額を比

べ、金額の多い方を休業損害算定の基礎額としています。



平成17年度の賃金センサスでの金額を例に考えますと、兼業主婦の

事故前3ヶ月間の給与を90日で割った金額が9570円を上回る場合は

実際の休業損害額を基礎とし、9570円を下回った場合は9570円まで

引き上げて基礎額とすることが出来ます。



休業損害額では、保険会社のわけの分らない計算方法に振り回され

ず、計算式の根拠を常に保険会社に説明させるようにしないと、損

することも考えられますのでご注意下さい。



休業損害の計算式の根拠を尋ねるだけで、何もいわずに増額された

計算書を再度提示する保険会社が結構多いのは、一体どのような

理由からかお分かりになりますか?


嘘はいけないことに気付いたから?


ご想像にお任せしますね♪



事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」


2009年01月05日

■「訴訟の現場から見るムチ打ち症」
事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」



「ムチ打ち症で後遺障害が認定される条件」



■  訴訟の現場から見るムチ打ち症



今回は、ムチ打ち症の特殊な損害賠償のお話です。



サブタイトルにありますようにムチ打ち症は裁判で不利になるか

といったことも交えてお話していきたいと思います。



現在頚椎捻挫いわゆるムチ打ち症による治療、休業損害、後遺障害

認定、逸失利益等に関連した訴訟で裁判所が示す判断は、おおよそ

パターン化されています。



最初にお断りしておきたいのですが、交通事故損害賠償請求におけ

る地方裁判所支払い基準において頚椎捻挫は他の受傷とは異なった

判断基準が採用されています。



顕著な例としては、地裁基準の「赤い本」で傷害慰謝料表は別表Ⅰ

及び別表Ⅱに分かれており、別表Ⅱがいわゆる他覚所見に乏しい

頚椎・腰椎の捻挫による入・通院慰謝料計算にに使用しています。


※「赤い本」についてはブログ記事「地方裁判所支払い基準」です。
  http://safely.blog115.fc2.com/blog-entry-33.html



別表Ⅱの基準は概ね別表Ⅰの60~70%程度の金額になっていますが、

何故頚・腰椎捻挫と他の受傷の慰謝料算定基準をそのように分けて

いるか少しお話します。



「赤い本」は地方裁判所支払い基準で、内容はあくまで損害賠償の

算定基準のため詳しい解説がないく、個々の多様な案件では判断に

迷う部分も多々あるため、「赤い本」の注釈として「交通損害賠償

算定基準」実務以上の争点と倫理(損害賠償算定基準研究会編)と

いうものが株式会社「ぎょうせい」から出版され、多くの交通事故

を扱う弁護士が使用しています。



この注釈本の中の頚・腰椎捻挫の慰謝料を一般の慰謝料の三分の二

程度にした理由について解説していますので抜粋してみます。



「他覚所見のないむち打ち症については、被害者本人の気質的なも

の、年齢的なもの、例えば被害者意識の強さ、レンテンノイローゼ、

外傷性神経症、あるいは老人性変形症、更年期障害、加害者の責め

に帰せられない事由により被害者の入院・通院が長引くことがある」


注)レンテンノイローゼ:賠償性神軽症


「また、生活環境、例えば離婚して生活に不安がある場合、定職を

もっていない場合等の要因が加わることもある。病院も被害者が何

らかの症状を訴えてくる以上、診療を拒否できない場合、時にはこ

れを奇貨として病院の経済的利益を図ろうとする、いわゆる過剰診

療すらあり得る。この意味で他覚所見のないむち打ち症は、実務に

おいては低額な慰謝料をもって基準としている」



このように「交通損害賠償算定基準」実務以上の争点と倫理で注釈

されていますが、ここで注意が必要なことは、何でもかんでもむち

打ちは別表Ⅱを使用するのではなく、他覚所見がある場合は別表Ⅰ

を使用できるということです。



弁護士の中でもこの辺を勘違いしていることがありますので、他覚

所見のある頚椎捻挫の場合、紛セン等で相談する際は別表Ⅰを使用

する根拠をきちんと示し、別表Ⅰを使用した慰謝料を自分で算出し

ないと大きな損をする場合がありますので、良く学習していただき

たいと思います。



自分で言うのもなんですが、自信のないときには赤鬼の究極マニュ

アルをご使用になれば問題なくクリアーできます。



さあ、訴訟においてムチ打ち症が特別な算定を使用する理由がお分

かりいただけましたので、次に裁判所がムチ打症に示す特殊な判断

のお話の続きです。



東京三弁護士会交通事故処理委員(赤い本を作成している)では大

きく9つに分けていますが、これは裁判所による解決例と解釈してい

ただいて結構です。



■ 例1 診療の実態を調査し過剰診療を除外する方法



頚椎捻挫(むち打ち)で被害者本人が治療を希望している場合、

医師はあまり深く症状発症の原因を追究せずに無条件で診察し、

湿布あるいは投薬を延々と続けるいわゆる「漫然治療」などで

は、裁判所の判断で過剰診療部分についての治療費、慰謝料、通院


交通費、休業損害を除外した判断をする場合があります。




■ 例2 むち打ち症における入院治療を否定する方法



他覚所見に乏しいむち打ち症での入院を認めずに、通院1ヶ月のみ

認めた例。(平成2年 和歌山地裁新宮支部)




■ 例3 通院治療自体を否定した例



治療期間5ヶ月を認めたが、それ以降を「心因性」と判断し通院治療

を否定した例。(平成12年 名古屋地裁)



■ 例4 症状固定の繰上げ認定の例



症状固定:今後治療を継続しても今以上に症状が改善することはな

     いことを意味する言葉。



症状固定の時期の判断材料としてレセプト(診療報酬明細書)があ

ります。



これは、医療機関が任意一括により任意保険会社から治療費を立替

払いしてもらう際に必要な書類で、診断書、診療内容、診療費の明

細を保険会社に毎月送ることになっています。



それらを元に保険会社は医療機関に治療費を支払うことになってい

ます。



保険会社は毎月送られてくるレセプトをみて、症状の推移や治療内

容に変化がなくなってきた時期を症状固定と判断しますが、裁判所

においても同じような考え方をしています。



しかし、多くの場合は医師と患者の同意の下に症状固定の時期を検

討しますので、治療に妥当性がある場合は一方的に症状固定を迫ら

れることはありません。



日ごろから自分の症状と治療に関心を持ち、必要な検査をしながら

通院していれば、かなり症状が改善するまで治療を継続することは

可能ですので、あまり心配することはありません。



ただ、最初から漫然治療をしていると、その時点で症状固定と言わ

れて一方的に症状固定を迫られる場合も加害者加入の任意保険会社

によってはありえますので注意が必要です。



平成4年の京都地裁で、男女二人が追突された案件において、男性に

おいては事故受傷より3ヶ月で症状固定と判断し、女性はそれほど治

療が必要ではないということで1ヶ月で症状固定と判断された例があ

ります。



■ 例5 自覚症状のみ訴えるむち打ち症の否定


これは、前回お話した傷害特約において他覚所見のないものは保険

金を支払わないでよいという判断を示した例です。



■ 労働能力喪失期間の限定



12級が認定された頚椎捻挫の判例で、神経を含む軟部組織の痛みで

あり、頚椎の骨自体が痛むのではないから労働能力喪失期間は症状

固定後3年で十分だと限定してしまった例です。(神戸地裁)



南部組織は具体的にいうと、骨を囲む筋肉や靭帯、血管、神経をい

いますが、後遺障害12級であれば紛セン(交通事故紛争処理センター)

においては労働能力喪失期間は5~10年程度まで請求ができ、概ねそ

の期間の間で和解することになります。



しかし、この神戸地裁の判例では14級の5年を下回る判断ですので、

このような判決をもらうのであれば紛センで解決した方が損害賠償

額は多くなります。



何でも訴訟をすれば最高額の賠償金がもらえると勘違いしている被

害者さんを時々見かけますが、ムチ打ち症の場合は良く計算して解

決の場を選ばないと弁護士費用や訴訟費用を払って気がついたら赤

字になっていたなどということも多々ありますので、損害賠償請求

の知識を十分に学習され最良の解決の場をお選びいただきたいと思

います。



事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」



2009年01月02日

■ムチ打ち症の後遺障害認定基準

事故解決はマニュアル選びが重要! 「交通事故マニュアル比較ナビ」



■ ムチ打ち症の後遺障害認定基準




任意保険の約款にある「他覚所見のないものは例え14級が認定されても

後遺障害と認めない」という部分の法的な判断についてお話しようと思います。



任意保険に加入すると必ず約款が送られてきますが、最初から最後

までお読みになったことはありますか?



「ある!」とおっしゃる方は、視力が自慢の勉強家もしくは虫眼鏡

の好きな研究家だと思います。



赤鬼はこんな活動をしていますので時々見るのですが、毎回虫眼鏡

で見るのも面倒なので、保険会社のホームページから約款のPDF

ファイルをダウンロードし、画面を拡大して見ています。


又、保険会社によっては大きな文字のPDFファイルをアップロードしている

所もありますので、あわせて利用しています。



約款を読んでいていつも思うのですが、何故このような分かり難くく回りくどい

言い回しをいなくてはいけないのだろか、誰にでも理解できるもっと分り

やすい表現にすることが顧客サービスではないのか、分りやすくすると何か

不都合があるのか不思議に思っています。



最近は、分りやすくすると不都合があると思うことにしています。



保険金の支払い条件を分りやすく書いてしまうと、本来気がつかな

いで済んでしまう補償を発見され請求されてしまうからではないで

しょうか。



いつもお話しているように、交通事故による損害賠償の立証責任は

被害者側にありますので、保険会社は被害者が立証せずに請求しな

いものについてはとぼけてしまいます。



わざわざ会社の支出を増やすようなことは絶対にありません。



とすれば、支払えるか支払えないかついては極力分かり難くする方

が保険会社にとっては得ということですので、約款の字は極限まで

小さく、見づらく、しかも文章は回りくどく書くことで理解し難く

していると考えているのは赤鬼だけでしょうか。



その厄介な約款の中で傷害特約についての支払いに関する記述に

「他覚所見のないものは例え14級が認定されても後遺障害と認め

ない」というものがあります。



傷害特約(自損・人身・搭乗者)では後遺障害が残った場合には補償

すると書いてありますが、何やかんやと注釈をつけています。



T&N保険の約款には後遺障害について用語の定義としてこのよう

に書いています。



「後遺障害:身体の一部を失いまたはその機能に重大な障害を永久

に残した状態であって,次の(イ)または(ロ)に該当するものを

いいます。

ただし,被保険者が症状を訴えている場合であっても,それを裏付

けるに足りる医学的他覚所見のないものを除きます。」



ということは、いわゆるムチ打ち症の後遺障害14級-9号の神経では、

「身体の一部を失いまたはその機能に重大な障害を永久に残した状態」

ではないので支払いませんということですが、ご丁寧に「ただし,被

保険者が症状を訴えている場合であっても,それを裏付けるに足りる

医学的他覚所見のないものを除きます。」と但書までついています。



14級-9号の場合は他覚所見がない場合が多々ありますので、支払

わないという事になりますが、たとえ14級でヘルニアの所見があっ

たとしても、ヘルニアは被害者の持病だから事故と関係ありません

といって支払いを拒否するのは保険会社の常習手段です。



この場合は、判例で「被害者個人特有の体質による発症であって

も、原因は事故によるものであるから、個人が責めを負うことは

ない」とする判例が沢山ありますので、それらを提示してしつこく

請求すると払ってくれることが多いようです。



赤鬼の場合、CRPS(局所疼痛症候群)の診断書を保険会社に送って

搭乗者保険を支払ってもらいましたが、他覚所見はヘルニアしかあ

りませんでした。



では、14級が認定されたがヘルニアもなく他覚所見が全くない場合

保険会社は傷害特約の後遺障害部分の支払いを拒否しても良いのか

ということになります。



訴訟をして保険会社に支払いを求めれば何割か支払われるのではな

いかと思われるかも知れませんが、その辺りは微妙です。



例え支払われたとしても、後遺障害部分のみでしたら訴訟と弁護士

費用で赤字になってしまいますので、わざわざ損してまで訴訟をす

る方はいないと思っていましたが、興味深い裁判資料を見つけまし

たのでご紹介します。



傷害特約で他覚所見のない14級の場合は後遺障害部分は支払わない

とすることに対し、宇都宮地裁足利支部は「本件のようなある程度

定型的な保険契約を締結する場合、加入者はその約款まで認識しな

い事が間々見受けられること、そして本件二条に規定されていると

おりに、他覚所見のない頚部症候群又は腰痛に対し、一切保険金が

支払われないものとすれば、あまりに保険会社に有利に働くことと

なり、不当な結果を招くおそれが十分に認められることからすれば、

本件二条項については、保険契約の当事者に対する拘束力はないも

のと考えることが相当である」という判決を出しています。



つまり、先ほどの但書「ただし,被保険者が症状を訴えている場合

であっても,それを裏付けるに足りる医学的他覚所見のないものを

除きます。」は無効であるということです。



この判決で保険会社は支払いを命ぜられたのですが、控訴したため

東京高裁で控訴審が開かれました。



この裁判の判決を注意して読んでください。



「被控訴人の訴え以外に被控訴人の症状を裏付ける客観的根拠が見

いだせない場合、即ち、症状に他覚所見のない場合に保険金の支払

いをしないとあらかじめ定めておくことは、保険金の不当請求、

詐取等を防止し、また保険金の支払いに関して無用の紛争が発生す

ることを防止するという点で合理性がある」



このように確定しています。



ということは、宇都宮の判決とは逆に、約款の但書に問題はない、

他覚所見のない14級の後遺障害に関しては傷害特約の後遺障害部分

は支払う必要はないということです。



こんなことが平成11年の8月にあったのですが、保険会社の社員は

きっと知りませんので、単に約款に書いてあるから払えませんとい

う回答があった場合は、しつこく請求すると根負けして支払う可能

性は大きいと思います。



何より大きな理由として、被害者自信が加入している保険の特約です

ので、今後の契約更新を考え損して得取れといった意味合いから支払

う可能性があるということです。



何事もやってみなければ分りませんので、ダメもとでも行動する価

値はあります。



ある種の裏技ですが、「次回から違う保険会社と契約することに決

めました。


おたくの保険会社は保険金をきちんと支払わないから止めた方がい

いと知り合いにもいっておきますね」といってみてもいいでしょう。



一番損するパターンは、最初から諦めてしまい行動しないことです。


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はじめまして!

赤川 静雄(赤鬼)

Author:赤川 静雄(赤鬼)
交通事故の損害賠償は、被害者に立証責任があるため、知識がなければ支払われない損害が沢山あります。保険会社の人は決して教えてくれない、知らないと損する損害賠償の知識を公開します。賢い被害者になって、大いに得しましょう!

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